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端子台の教科書®

端子台(端子盤)とは

端子台について

端子台とは、簡単に言うと「電気を使う装置」と「電線」を接続する為の部品です。電線の接続方法には、ねじで締めるものや差し込むだけのもの、大きなものから小さなものなど極めて沢山の種類があります。では、端子台はどうして必要なのでしょうか。装置はその部品単体で動くのではなく、複数の部品が合わさった機械がさらに複数合わさり、動くものです。機械と機械は電線で接続しますが、機械と電線を接続するには端子が必要になります。ただ、機械によっては電線を抜いたり接続したりする作業に危険なものもあります。そこで考え出されたものが電気を通す状態で、電線を固定できる端子台です。端子台はもともと制御盤や配電盤で使用され、AC100Vや200V用の電線を接続する為、圧着端子を使ってねじ止めする普通のねじ式以外に、ねじアップ式、ねじ無し式、タブ式、押締式、瞬結式などの種類があります。
又、端子台自体の取付けは、ビスによる固定または、DINレール取付が主流でした。しかし、現在では、プリント基板に直接取り付け、はんだ付けによって固定される端子台も各種作られています。プリント基板用ではコネクタ構造部分をプリント基板に直接接続できる「コネクタ型端子台(当社名称:コネクタンシ)」もございます。これらは、NECA C 2811で「工業用端子台」として定義されています。

  • ねじ式

    ねじ式

    電線(圧着端子)を端子ねじにて導電部に締付けて接続する。

  • ねじアップ式

    ねじアップ式

    電線(圧着端子)を端子ねじにて導電部に締付けて接続する。ねじを緩めるとバネ力でねじが浮き上るが、ねじは導電部上方で維持され端子台から 抜け落ちることが無く接続作業の省力化とねじの脱落防止にもなる構造です。

  • ねじ無し式(ブッシュイン式)

    ねじ無し式(ブッシュイン式)

    電線(単線・撚線又は、棒・フェノール端子)をクランブバネのバネ圧で導線部に押付けて接続でき抜く時はノブを押してバネを開口させ電線接続の省力化になる構造です。

  • タブ式

    タブ式

    電線をリセブタクル端子に接続しタブに差込み電線を接続する方法。

  • 押締式

    押締式

    端子ねじを回転させることで電線押付け金具と導電金具を上下させる。電線押付け金具と導電金具が電線を挟み込むことで接続される構造です。

  • 瞬結式

    瞬結式

    圧着端子を挿入するとレバーが立上り押えバネが圧着端子えお押付けて「パチン」と音がして接続完了。工具類を使用せずに電線の脱着ができる構造です。

使用される材料について

モールドなどに使われる樹脂について

熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違い

プラスチックには非常に多くの種類が知られていますが、そのどれもが、熱可塑性・熱硬化性のどちらかに分けることが出来ます。熱可塑性とは、熱をかけていくと溶けるチョコレートのようなタイプの樹脂のことで、熱硬化性樹脂とは、熱をかけていくと硬くなっていくクッキーのようなタイプの樹脂です。ただし、熱硬化性樹脂であっても、熱を上げ続けるとある時点で強度が無くなってしまうのでプラスチックを選ぶ際には、この常用できる耐熱温度がどれくらいなのかを念頭に置く必要があります。当社で使用されている樹脂では、熱可塑性樹脂がPBT、PC、PPSなどがあり、熱硬化性ではフェノール樹脂などがあります。

  • 当社使用基板(材質:PBT)
    当社使用基板(材質:PBT)
  • 当社使用カバー(材質:PC)
    当社使用カバー(材質:PC)

成形材料特徴表
(材質の使用例画像全ての製品に使われているとは限りません)

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樹脂名 概要 特徴 用途 使用例画像
PBT 熱可塑性のエンジニアリングプラスチックの一つで、電気特性をはじめ、各種物性のバランスがよくとれた材質。難燃性の高いグレードも各種販売
※樹脂名:PBT(ポリブチレンテレフタレート)
長所 耐衝撃性・絶縁性・寸法安定性・耐薬品性 電気的特性など 電気製品
電子部品
自動車部品など
キーボード
キーボード
短所 加水分解(恒温恒湿環境下)など
PC 熱可塑性のエンジニアリングプラスチックで、無色透明・耐衝撃性・耐候性に優れる材質
※樹脂名:PC(ポリカーボネート)
長所 耐熱寒性・絶縁性・耐候性・耐衝撃性・透明性など 電気・電子部品
光学分野
自動車部品
生活用品類など
スマートフォンのケース
スマートフォンのケース
短所 加水分解(恒温恒湿環境下)
耐薬品性など
PPS 熱可塑性のスーパーエンジニアリングプラスチックの一つで、剛性の高さが特長。各種物性がハイレベルでまとまっているが、高価
※樹脂名:PPS(ポリフェニレンサルファイト)
長所 耐熱性・高剛性・電気的特性・耐薬品性・難燃性など 電気・電子部品
自動車部品
OA機器部品
家電など
箸
短所 耐衝撃性(ノッチ効果)・耐摩耗性・高価など
PF 熱硬化性プラスチックに分類される、最も古い人工プラスチック。昔はベークライトの名称で作られていた。今でも砥石の基盤として使われることがある。
※樹脂名:PF(フェノール樹脂)
長所 耐熱寒性・絶縁性・難燃性・耐酸性・耐溶剤性など 工業用部品
機械的部品
自動車部品
キッチン用品など
タイヤの強化剤
タイヤの強化剤
短所 耐アルカリ性など
PA 熱可塑性のエンジニアリングプラスチックの一つ。耐熱性、機械的強度に特に優れている。他にも耐油性や耐.摩耗性、潤滑性に優れている。
※樹脂名:PA(ポリアミド)ナイロン66
長所 耐熱性・靭性・耐摩耗性・耐薬品性など 自動車部品
電気電子部品
食品関連
衣装衣服類など
フライ返し
フライ返し
短所 吸水時に寸法変化が生じる
黄変しやすいなど
POM 熱可塑性のエンジニアリングプラスチックの一つ。特に潤滑性に優れている。他にも機械的強度に優れている。
※樹脂名:POM(ポリアセタール)
長所 耐摩耗性・耐衝撃性・自己潤滑性・絶縁性・耐薬品性など 自動車部品
工業用部品
楽器など
スプレーボトル
スプレーボトル
短所 対候性・難燃性

導電板やビスなどに使われる金属について

当社で使用されている金属は、主に導電性の高い材質を使用しています。また、ほとんどの製品の材料表面に表面処理を行っており、より高い電気的特性を確保しています。 主に使用している材料は銅、黄銅、リン青銅、鉄、ステンレス鋼で、表面処理はニッケルメッキ、スズメッキ、三価クロメートなどがあります。

  • 当社使用ビス(材質:鉄) 
    当社使用ビス(材質:鉄) 
  • 当社使用導電板(材質:黄銅)
    当社使用導電板(材質:黄銅)

金属材料特徴表
(材質の使用例画像は全ての製品に使われているとは限りません)

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樹脂名 概要 特徴 用途 使用例画像
電気・熱の伝導性がよく加工性に優れ、耐食性・耐候性が良い素材。 長所 電気的特性・熱伝導性・対候性・耐食性・電気的特性など 電気用、化学工業用の製品・部品
鍋などの調理用品
10円硬貨
10円硬貨
短所 酸化(錆が発生)し易く、表面処理などが必要な場合がある。
黄銅 展延性や加工性に優れている素材。一般的に真鍮とも呼ばれる銅と亜鉛の合金で、配合される亜鉛の比率によって特性が変化する。 長所 電気的特性・熱伝導性・加工性・耐食性など 端子コネクターなど。
5円硬貨
5円硬貨
短所 酸化(錆が発生)し易く、表面処理などが必要な場合がある。
リン青銅 展延性・機械的強度・耐食性に優れ、バネ材に適した素材。銅と錫の合金である青銅にリンを添加して作られる。 長所 電気的特性・熱伝導性・加工性・耐食性・機械的性質など 電子・電気機器用ばね、コネクタ、スイッチなど。
配線コネクター
配線コネクター
短所 酸化(錆が発生)し易く、表面処理などが必要な場合がある。・高価など
強度・加工性が高く、コストが安い一般的な素材。 長所 加工性・機械的性質・安価など 建築、自動車等の部品、ビス、ナットなど。
ハサミ
ハサミ
短所 酸化(錆が発生)し易く、表面処理などが必要な場合がある。
ステンレス鋼 ステンレス鋼とはStain(汚れ)Less(ない)=錆びない(錆びにくい)鋼、という意味で、クロムとニッケルを含有させた合金鋼のこと。耐食性・機械的性質が良好な素材で、錆びにくいという性質を持つ。 長所 100%リサイクル可能・機械的性質・耐薬品性など 自動車、電気機器などに使用される板バネ。
スプーン、フォーク
スプーン、フォーク
短所 吸水時に寸法変化が生じる
黄変しやすいなど

規格について

規格の必要性

規格(標準)の定義/自由に放置すれば多様化、複雑化、無秩序化する事柄を標準化し少数化、単純化、秩序化することによって制定される「取り決め」。

各規格の位置付け

端子台の適合規格

①IEC(International Electrotechnical Commission)規格

IEC規格は、「国際電気標準会議」という機関が制定する国際規格です。IECは電気通信分野を除く電気・電子分野の広い分野で国際的な標準化を行っています。IECには参加している国は80カ国以上で、日本からは後述するJISを制定する日本工業標準調査会(JISC)が代表として参加しています。
規格は、その規格を制定した団体の種類・規模によって、適用範囲が異なってきますが、ISO(国際標準化機構)やIECといった国際機関が制定した国際規格は全世界で適用されます。

②TÜV規格

TÜV規格はドイツの企業であるTÜV Rheinlandsが制定する規格です。認証企業として、世界7位前後の規模を持ちます。技術、安全、証明サービスの規格を設定し、電気部品の評価方法にはEN(European Norm)規格を利用、評価試験を実施しています。これらの試験に合格した際には、TÜV認証マークの使用が認められています。
EN(European Norm)規格は、欧州30カ国で構成されるCEN(欧州標準化委員会)やCENELEC(欧州電気標準化委員会)、ETSI(欧州通信規格協会)が発行する、欧州の統一規格です。加盟各国は、EN規格を自国の国家規格として採用することが義務付けられています。CEN規格(CEN/CENELEC規格)や欧州規格と呼ばれることもあります。

③JIS(Japanese Industrial Standards)規格

JIS(日本産業規格)とは日本産業標準調査会(JISC)が制定する国家規格です。日本の産業標準化の促進を目的とする産業標準化法(1949年)に基づき制定されました。JISは、産業標準化法に基づく手続きを経て、制定または改正から5年以内に見直しが行われ、当該規格をそのまま存続(確認)、改正または廃止がされます。
JISには、それぞれに番号が付いています。この番号は、分野を表すアルファベット一文字と4桁から5桁の数字との組合せからなります。(1949年以来、長らく日本工業規格として呼ばれてきたが、法改正により2019年7月1日に改称された。)

④UL(Underwriters Laboratories)規格

UL規格は、アメリカ合衆国の企業であるUnderwriters Laboratoriesが制定する規格です。認証企業として、世界10位前後の規模を持ちます。材料・部品・装置・道具類などから最終製品まで、機能と安全性の規格を設定し、同時に評価方法を策定、実際に評価試験を実施します。これらの試験に合格した際には、UL認証マークの使用が認められています。
ULはマークを発行したリストを管理し提供することで、利用者に材料や製品などがUL認定品であるということを提示しています。

⑤NECA(Nippon Electric Control Equipment Industries Association)規格

NECAでは、ISO、IEC等の国際規格の情報収集や調査研究を通じて国際標準化規格の整合化を目指し、国内の審議団体として具体的な提案に結びつける活動を行っています。また、当工業会所管の既存日本産業規格(JIS)の改正や新規JIS規格の制定、並びにNECAの改正や新規制定を行っています。また、端子台に関する規格のJIS C2801の代替規格としてNECA C2811が制定されています。

端子台の主な準拠規格

  • UL1059
  • UL94
  • JIS C 8201-7-1
  • JIS C 2806
  • NECA C 2811
  • IEC(International Electrotechnical Commission)
  • Terminal Blocks
  • Tests for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances.
  • 銅導体用端子台
  • 銅線用裸圧着スリーブ
  • 工業用端子台
  • 国際電気標準会議

工業用端子台の製品設計について

端子台の基本設計・試験

①当社基本設計

端子台を設計する際は、UL規格のフィールドワイヤリング*1を取得できる構造とする事。また、顧客要求によりフジコン設計基準を外れる場合は、量産性及び品質の検証・確認を行い設計をする事。専業メーカーとして、ユーザーから指示がなくても必要スペックの確認を行い客先へ提案を行う事。
その他、UL1059やNECA C 2811の基準をクリアできる様、注意することを基本姿勢としています。

*1 フィールドワイヤリング(FW2)
端子台を組込んだ機器の端子台への配線を納入先(客先)工場を含み、機器の設置先での配線も認められる規格取得方法です。
近年、殆どのUL1059取得製品はフィールドワイヤリングを要求されています。製品設計を行う際は規格取得要求が無くても、フィールドワイヤリングを取得できる構造になるように設計を行うようにしています。

参考 ファクトリーワイヤリング(FW1)
端子台を組込んだ機器の端子台への配線を納入先(客先)の工場内のみに制限した規格取得方法。
規格取得は容易であるが、客先での使用用途が制限されてしまう為、需要が少ない。

②設計評価試験

製品開発を行った上で、UL1059やNECA C 2811の基準をクリアしているかどうか試験を行っています。
例えば、耐電圧試験、絶縁抵抗試験、温度上昇試験、締付トルク試験、引張強度試験、耐熱性試験、耐寒性試験、耐湿性試験など各規格の試験方法に則って行い安心してご使用いただけることを確認しています。

工業用端子台(端子盤)の
性能について

「機能」と「性能」の違い

「機能」と「性能」は混同される場合が多いのですが、きちんと使い分けるべき重要な概念となります。 大きな違いは、「機能」とは性質や役割であって、直接数値化できないもの。また、「性能」とは、具体的な指標として数値化できるもの、という表現がわかりすいかと思います。ここでは、そういった数値化した工業用端子台の「性能」について述べていきます。

電気的性能について

①耐電圧

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耐電圧試験は、絶縁が確実に施されているかを絶縁間に高電圧を印加し確認する試験です。また、耐電圧は絶縁破壊を生じることなく確実に印加できる電圧の上限であり、絶縁耐力とも呼ばれます。 準拠規格であるNECA C 2811では、定格絶縁電圧が*250Vの場合は2000Vで、*600Vの場合は2500Vで試験を行うこととなっています。試験方法は、端子台を接地した金属板へ使用状態に取り付け、50Hz又は60Hzの正弦波に近い*上記の電圧で行います。初めに規定電圧値の1/3以下の電圧を加え、以後規定値に達するまで、電圧計を読みながら急速に上昇させます。 印加時間は、電圧が規定値に達した後1分間とします。但し、受渡検査の場合、最初から試験電圧値の120%の電圧を1秒間印加して、これに代えることが出来ます。

②絶縁抵抗

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絶縁抵抗とは、電流が流れる電路における電路相互間及び電路と大地との間の絶縁性(電流が流れない性能)のことです。単位は一般的にMΩ(メガオーム)が用いられます。絶縁抵抗が低くなると漏電を生じ、感電や火災等の原因となるので注意が必要です。
NECA C 2811では、「絶縁抵抗試験は、端子台を金属板へ使用状態に取り付け、500Vの絶縁抵抗計(通称:メガー)を使用し、各充電部相互間、各充電部と取り付け金属板の間の絶縁抵抗を測定する」とありその時の絶縁抵抗は20MΩ以上で無ければならないとされています。当社では、フェノール樹脂のボディで100MΩ、PBT、PET、ポリカーボネートなどのボディで1000MΩ以上と規格より厳しい数値を設定しています。

③温度上昇

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温度上昇試験とは、電子機器の通常作動状態時において、所定の部位(人的接触が可能な部位及び内部にある部品)の温度が規定されている限度温度を超えないかを測定し、火災や火傷などにならないよう製品安全性を評価することを言います。
NECA C 2811に規定された試験方法は、3極以上の端子台にあっては3極、3極以下の端子台にあっては全極を直列に接続し、定格電流を連続して通電し、温度がほぼ一定になった時の中央極の電線接続部に出来るだけ近い部分の温度上昇を熱電対温度計で測定し室温との差異が45℃以下であることとされています。(ULでは30℃以下)
当社は、30℃以下になる設計を基本とし、この条件を満たすように定格や適合電線を決定しています。

機械的性能について

①結線ビスの締付トルク

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ねじを回して締め付けるときに回転方向に回す力を「締め付けトルク」といいます。ねじを締め付ける時は、締め付けトルクで管理することになります。締め付けトルクが小さすぎるとねじが緩み、締め付けトルクが大きすぎるとねじが破損することになる為です。
NECA C 2811(工業用端子台)では、締め付け強度試験は、端子ねじをトルクドライバなどを使用して徐々に締め付け、表1に示す締め付けトルクを5~15秒間加えた後、端子ねじを緩める、とあります。当社では15秒間と規定し試験しています。

表1(NECA C 2811より) ※備考(  )の数値はねじ回し以外の方法で締める場合。

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端子ねじの呼び径 mm 3 3.5 4 5 6 8 10 12
締付けトルク N・m 0.5 0.8 1.2 15.5 15.5 15.5 15.5 15.5

②導電板(端子部)の引張強度

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引張強度試験は、端子台に定格適合電線を規定の締付トルクで結線して行います。このとき表2に示す引張力を加え、異常が無いこととしています。ここで導電板が破損してまったり電線が外れてしまったりした異常は危険な為、これも重要な試験であることに間違いありません。

表2(NECA C 2811より)

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定格適合電線 より線 ㎟ 0.5~1.25 2~3.5 5.5~8 14~22 38~60 100 150
単線 ㎟ 0.5~1.2 1.6~2
引張力 N 50 100 150 200 250 300 350

③耐振動性

振動試験をする目的は、端子台が取り付けられた後に、周りの機器などの振動による影響により10μs(フジコン規定)以上の電流の断が発生しないことを確認するために行います。(JIS C 5402参照)また、振動負荷による部品のこすれ、傷、破損、あるいはネジの緩みなどによる動作不良などを起こさないか、も確認しています。(NECA C 2811参照)

NECA C 2811の試験方法は以下となっています。
耐振動試験は、端子台を使用状態に取り付け、適当な長さの定格適合電線を、電線接続部の形状に応じた接続方法で接続し、その一端を振動による張力が加えられない程度に固定して行います。
a)振動数範囲と複振幅は、表3に示すいずれかの組合せとする。
b)振動数の速さは、振動数範囲を1往復するのに要する時間が1分の割合とし、連続的でかつ、一様に変化させる。
c)振動を加える方向は、上下、左右及び前後の3軸方向とし、振動を加える時間は、各軸方向共に2時間とする。

表3(NECA C 2811より)

振動数範囲 Hz 複振幅 mm
10~55 0.75 1.0 1.5
振動数範囲 Hz
10~55
複振幅 mm
0.75
1.0
1.5

④耐衝撃性

耐衝撃試験は、端子台を使用状態に取り付け、表4の衝撃を上、下、左、右、前及び後の6方向に各5回、計30回加え破損、変形、変色等の異常の無いこととしています。

表4

最大加速度 m/s² 持続時間 ms 速度変化 m/s
500 約11 3.4
最大加速度 m/s²
500
持続時間 ms
約11
速度変化 m/s
3.4

環境性能

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①耐熱性 NECA C 2811では耐熱試験の条件として、「70±3℃の恒温槽に2時間保った後取り出して常温に1時間放置し、異常が無いこと。また、その後耐電圧、絶縁抵抗を測定し、数値が規定を満足すること」とあります。規格より厳しい条件の「120℃」で試験を行っています。 ②耐寒性 NECA C 2811では耐寒試験の条件として、「-25±3℃の恒温槽に2時間保った後取り出して常温に1時間放置し、異常が無いこと。また、その後耐電圧、絶縁抵抗を測定し、数値が規定を満足すること」とあります。当社でもこの規格に基づいた試験を行っています。 ③耐湿性 NECA C 2811では耐湿試験は、「端子台を温度40±2℃、相対湿度90~95%の恒温高湿槽内に96時間保った後、常温・常湿の室内に取り出し、付着した水滴をふき取り、5分以内に耐電圧、絶縁抵抗を測定し、数値が規定を満足すること」とあります。
規格より厳しい条件の「ー40℃」で試験を行っています。

環境負荷物質について

なぜ環境負荷物質はいけないのか

環境負荷物質とは、人の活動が環境に与える影響で、それによって環境の保全に支障が生じる恐れのあるものを言い、その原因となる物質のこと。人の健康や生態系に有害な影響を与える恐れのある物質の為、禁止したり規制が必要となってきている。
フジコンにおいては年に一回、全従業員を対象に環境品質部が主催し、「環境関連教育」「ISO教育」「内部監査教育」などを行っております。その年の業界の状況に合わせ資料を新しく作り直し教育を行っています。

RoHS指令とは

「RoHS指令」は電子・電気機器に使用される危険物質に関する制限のため欧州連合(EU)により2003年2月に公布されました。この指令に基づき、2006年7月1日以降は、EU加盟国内において、RoHS指令の禁止物質の含まれる電子・電気機器を上市することはできなくなりました。
このRoHS指令での環境負荷物質6物質の限界値(閾値)は以下のようになっています。

  • 鉛:1000ppm以下
  • 水銀:1000ppm以下
  • カドミウム:100ppm以下
  • 六価クロム:1000ppm以下
  • ポリ臭化ビフェニル(PBB):1000ppm以下
  • ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE):1000ppm以下

改正RoHS指令(RoHS2)とは

2015年6月4日、RoHS2の禁止物質(制限物質)にフタル酸系の4物質が追加され、禁止物質は10物質となりました。 改正RoHS指令(RoHS2)は、2011/65/EUのAnnexⅡを置き換える形で(EU)2015/863が公布されました。追加された4物質の限界値(閾値)は以下のようになっています。

  • フタル酸ジニエチルヘキシル(DEHP):1000ppm以下
  • フタル酸ブチルベンジル(BBP):1000ppm以下
  • フタル酸ジブチル(DBP):1000ppm以下
  • フタル酸ジイソブチル(DIBP):1000ppm以下
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端子台の種類、使用用途

①中継型端子台

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医療器向けを始めとし、工作機器、大型サーボアンプ、レーザー溶接機、電力関係、船舶関係、鉄道関係、防衛関係への納入実績が多くあるシリーズ。

②貫通型端子台

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FA業界全般に使用実績あり。 プリント基板に実装される機器の入出力部へ使用。(主にユニット電源や計測機器に使用)
貫通型端子台には、「セレクトオーダーシステム」と言って、今までにないモールドと導電金具の組み合わせによる新たなリード長さが加わることによりバリエーションが増えた機種も多くあります。)

③貫通型端子台(上下ビス付き)

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携帯電話の基地局、新エネルギー関係、大型サーボアンプ、溶接機、大型電源などでの使用実績有り。
大電流が必要な機器での使用が多い。

④貫通型端子台(2段型)

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計測機器を中心に制御関係、ロボット関係、空調関係への納入実績有り。
小スペースに多く配線を行う場合の使用に適している。

⑤コネクタンシ

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制御機器向けで開発・販売を行っているシリーズとなっております。 着脱ができることで使用用途が増えボイラー関係、保護リレー(電力)などの業界に納入実績有り。
カスタム依頼も多くあり。

⑥ねじ無し端子台

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防災関係、無線関係、セキュリティー関係、健診機器関係や機器の小型化、工数削減などを目的としたお客様などへの納入実績有り。

⑦基板端子

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車載、空調、新エネルギー関係を中心に幅広く使用実績有り。当社標準品でも売れ筋上位シリーズとなっています。また、キャリアテーピングを行う事で自動挿入も可能。

⑧トランジスタクリップ

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パワコン、電源、放送関係、医療関係、その他トランジスタを使用するあらゆる機器に搭載実績有り。

⑨カスタム品

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多くのお客様と共に培った技術力を活かし、お客様のご要望に柔軟に対応。樹脂成形品、金具(ブスバー)などのカスタム対応も可能。
(カスタム【フルカスタム】品とは、特定の顧客用に開発され、そこにしか納めないモノをいい、セミカスタム品とは、フジコン標準品をベースに、部分的に加工を加えた特殊品を言う。)

⑩瞬結端子台

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圧着端子を挿入して「パチン」と音が鳴れば結線完了。
工具類は使用せずに電線が脱着でき、ねじ結線方式ではないため増し締め確認作業が不要になり結線作業の省力化を実現。
制御盤・配電盤の他に開閉器・ノイズフィルター・リレーなどにも瞬結機能の応用が可能。
特許取得済み

端子台ができるまで

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端子台はその多くが『樹脂部品』と『金具部品』から成り立っています。

1.開発・設計(新規品のみ)
2.部品の作成
 2.1樹脂部品の作成
 2.2金具部品の作成
3.組立作業
4.検査・梱包・出荷

1.開発設計

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新規の端子台を作る際、お客様の要望や市場ニーズなど、収集された情報を基に製品の設計を行います。
ある程度形状が決まった段階で、試作品を作成し試験・評価を繰り返し、完成度を高めます。
最終的な形状が決まれば、必要な部品の『金型』を作成して量産体制となります。
また、設計の段階でまだ世の中にない形状が必要な場合は、開発と検証も行います。

2.部品の製作

お客様より注文が入り次第、必要な部品を作成します。
大きく分けて『樹脂部品』と『金具部品』があり、それぞれ製作方法が異なります。

2.1樹脂部品の製作

樹脂部品の作成に必要なのは、大きく分けて材料・部品の形状を作る金型、部品を作る機械の3点です。
大まかな手順としては、材料を溶かしたものを型に注ぎ込み、それが冷えて固まり、硬い樹脂部品になるというものです。
材料はペレットと呼ばれるビーズ状の粒です。製品の色・材質に合わせたペレットを使用します。
次に金型ですが、金型は熱や圧力に耐えられるよう金属製で、内部に製品形状の空洞ができるように作られています。大きな製品になると、型だけで500kgになる事もあります。
これらを『成型機』と呼ばれる機械にセットします。成型機は溶かした材料を圧力をかけながら金型に注ぎ、部品の形状を作る機械です。こうして樹脂部品が作られます。

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2.2金具部品の製作

金具部品を作るのに必要なのも、材料・部品の形状を作る金型・部品を作る機械の3つです。
大まかな手順としては、材料を金型で打ち抜きながら形を作り、それを繰り返すことで最終的な形状ができるというものです。
材料は金属の板で、ロール状若しくは板状のものを使用します。材料には種類がいくつもあり(黄銅やリン青銅、鉄、ステンレス等)、使用場所に応じた材料を使用します。
金型は、部品を打ち抜く圧力に耐えられるよう金属製で、内部に部品形状を作るために必要なピンや刃が並んでいます。これらをプレス機と呼ばれる機械にセットします。
プレス機は型を上下方向から繰り返しプレスすることで、セットされた材料を順々に打ち抜いたり、折り曲げたりして形を作り出していきます。(順々に加工するプレスは順送型プレスと呼ばれる)
また、金属部品は形が出来上がった後、メッキと呼ばれる表面処理を行うことが多く、このメッキをすることで錆を防いだり、電気の流れをスムーズにすることができます。

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3.組立作業

最終的に製品として販売するには、出来上がった樹脂部品・金具部品を組み立てなければなりません。
製品によって組み立て方は様々ですが、当社で最も多いのは、樹脂部品に金属部品を圧入し、それにねじを付けて完成、となります。

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4.検査・梱包・出荷

完成した製品はご注文されたお客様のもとに送られますが、送る前に必要不可欠なのが、製品の検査です。
検査は図面を基にした寸法検査や、キズやカケを確認する外観検査を行います。他にも製品ごとに必要な個所があれば、適切な検査を行います。
検査を合格した製品は、適した大きさの「小箱」に梱包されます。
同じお客様から複数の製品の注文があった場合は、大きめの箱に複数の製品をまとめて梱包していきます。
箱の中にはエアクッションなどを入れ、輸送中の破損を防止するようにしています。
こうして、端子台はお客様のもとに送られます。

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端子台の正しい使い方

端子台を安全に、お使いただく為に製品の定格や仕様の範囲内でご使用願います。
今回は主に、ねじ締め端子台についてご案内致します。
※工具は一例となります

1.配線について

1-1)圧着端子での配線

①電線に圧着端子を取り付ける為の手順。

イ.電線の被覆を剥く為に「ワイヤストリッパー」という工具を使用します。

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ワイヤストリッパー

ロ.電線のサイズに合わせて「ワイヤストリッパー」の適切な穴に通します。

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今回は「2mm²」の電線を使用します。

ハ.電線の被覆を剝ぐ為に、ワイヤストリッパーからその分飛び出ます。

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6mmから7mm程にセットしてください。

ニ.電線をセットしたら「ワイヤストリッパー」を握り手部分を握って被覆を剥ぎます。

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握れば自動的に被覆が剥げます。

ホ.次に圧着端子と被覆を剥いだ電線を圧着工具にセットします。(絶縁被覆付き圧着端子をお奨めします。)

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ここでも「2mm²」のところにセットします。

ヘ.圧着工具を握って圧着します。(以下、ここでは裸圧着端子で説明します。)

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(力を入れて)握り、圧着端子を潰して下さい。

注意事項
  • ワイヤストリッパーや圧着工具を使用する際は、必ず適切な穴を使用して下さい。
    そうでないと芯線を傷つけたり、芯数が少なくなるなどして、
    接触抵抗が高くなってしまい発熱、発火を引き起こす恐れがあります。
  • 圧着端子は圧着する向きがありますので膨らんでいる方を潰して下さい。
  • 圧着作業の際は、芯線がはみ出ないこと、被覆を圧着しないこと、圧着方向の違い等に注意してください。

②圧着端子を端子台に接続する。

イ.端子台のねじを緩め圧着端子を挟んでねじ止めしてください。

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1つの端子に1本配線の場合

ロ.ねじ止めする締付トルクは適正な値で行ってください。

ハ.1つの端子に電線は2本までとしてください。

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1つの端子に2本接続の場合

注意事項
  • 1つの端子に2本接続するときは端子を背中合わせにしてください。(電線は2本までとしてください。)
    そうでないと芯線を傷つけたり、芯数が少なくなるなどして、
    接触抵抗が高くなってしまい発熱、発火を引き起こす恐れがあります。
  • 事故を起こさない為に適正な締付トルクで締付ける事、ねじを締め付け忘れないことに注意してください。
  • 配線は機器の邪魔になったり、手等を引っ掛けたりしないように結束バンドなどを使用してください。
1-2)裸電線での配線(フリータンシビス使用の場合)

①裸電線を端子台に接続する。

イ.裸電線の被覆を剥く方法は1-1)①を参考にしてください。

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今回は「1.25mm²」を使用

ロ.電線の被覆を剥ぐ長さは座金の幅以上を目安にしてください。

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ハ.端子台のねじを緩め裸電線を挟んで、被覆が座金か導電金具に当たるまで差し込み締め付けてください。

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1本接続の場合(ネジ山の左右どちらか)

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2本接続の場合(ネジ山の左右に1本づつ)

ニ.ねじ止めする締付トルクは適正な値で行ってください。

ホ.UL、C-UL認定品については、裸線の接続は1本までとしてください。

注意事項
  • ねじ止め時の素線のバラケや抜けを防止する為にも締付トルクは適正な値で行ってください。
    そうでないと芯線を傷つけたり、芯数が少なくなるなどして、
    接触抵抗が高くなってしまい発熱、発火を引き起こす恐れがあります。
  • 以上、全ての作業については定格適合電線を必ず使用してください。

2.電線結線時の締付トルク(結線ビス)について

※右にスワイプすると全てご覧になれます

ねじの呼び M2.5 M3 M3.5 M4 M5 M6 M8 M10 M12
推奨値(N・m) 0.4 0.5 0.8 1.2 2.0 2.5 5.5 10.0 15.5
保証値(N・m) 0.5 0.6 1.0 1.4 2.4 3.0 6.6 12.0 18.5

(NECA C 2811より)

3.定格適合電線について

※右にスワイプすると全てご覧になれます

定格適合電線 撚り線(mm²) 0.5 0.75 1.25 2 3.5 5.5
単線(mm²) 0.5 0.8 1.0 1.2 1.6 2.0
電流値(A) 4 7 11 16 21 30 40
定格適合電線 撚り線(mm²) 8 14 22 38 60 100 150
単線(mm²)
電流値(A) 50 70 94 132 175 240 310
定格適合電線 撚り線(mm²) 200 250 325
単線(mm²)
電流値(A) 370 430 520

(NECA C 2811より)

注意事項
    定格適合電線を使用する場合は、その電流値と同じかそれ以下で使用してください。

4.使用環境について

①使用環境が高温多湿であったり、腐食性ガスが発生する雰囲気では使用しないでください。
②屋外あるいは塵埃の多い場所で製品の性能や接触信頼性を損なうような環境では使用しないでください。
③極端な温度変化があり氷結したり、結露したりする環境では使用しないでください。

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